造善し、共同体感覚・貢献感を育む
updated at 14th February 2023
釈尊「過去現在因果経」曰く
我々の生活における苦しみの原因は、果てしなき贅沢や、便利さを、貪って止まない欲望である。よく布施する者は、貪欲の心を去り、忍耐する物は、瞋恚(しんに)の心が止み、造善(ぞうぜん)する者は、愚痴の心が遠ざかる。この三つの所作こそ、まさしく涅槃に入る門戸(もんこ)というべきである。
と説かれている。
仏教において、布施は基本であり、実践してこそ涅槃への道が開かれると言われています。悟りを開いてから、涅槃に入るまでの四十五年間毎日欠かさず托鉢して村村を回られた釈尊ですが、面白いのは、災害に遭い全てを失った貧しい方々や、欲深い方々を選んでは足繁く赴き、托鉢を催促されたといいます。これに対し「積極的に彼らに托鉢しているのは、僅かでも布施の実践をさせ、真の安らぎの世界へ向かわせるためである」と釈尊は説きました。
「雑阿含経」には、「施し難くして、而も施を行じ
是れ 賢聖の施に応ず」として、施し難い環境にあってこそ、布施することに価値があると説かれています。